北本市史 通史編 自然

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第3章 北本の土壌

3 関東ローム層中の埋没土壌

土壌といえば、現在植物が生育する地表の最上部分を想像するであろう。ところが必らずしもそうではない。火山灰堆積地域では、火山灰層に覆われた土壌すなわち埋没土壌が発達する場合が少なくない。市域でみられる関東ローム層に挟在(きょうざい)する土壌はその良い例であろう。
台地の地表より約ー・五〜二・〇メ —トル下の黄褐色の関東ローム層に暗褐色を呈する埋没土壌が認められる(図23)これは、火山活動静穏期(せいおんき)にイネ科草本(ススキなど)植生下で生成した土壌(埋没腐植土)で、上位に二万二〇〇〇年前に噴火した姶良(あいら)Tn火山灰(AT)(町田ほか・一九七六)が堆積していることから、それ以前に生成した土壌と推定される。AT下位の埋没土壌は市域以外の大宮台地や、さらには関東平野全域の関東口—ム台地にも分布していること確が認されている(宇津川ほか・ ー九八ー)。

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