北本市史 通史編 自然

全般 >> 北本市史 >> 通史編 >> 自然

第6章 北本の生物

第5節 優れた自然

5 北本市東部

写真41 上手館のアカマツ林 (細田浩提供)

北本市の東部は、大宮台地が元荒川の低地に接するところである。鴻巣市との市境には赤堀川が流れ、市境に沿って水田がひろがっている。現在その一部は埋め立てられ、工場のほか学校給食センター、総合グラウンド、中学校、高等学校など公共の施設が多い。ただし公共的地域としての環境はまだ整っていない。
県立北本高校西側の水田や休耕田にはチョウジタデやタカサブロウ、コナギなどが優勢を誇っている湿性植物群落がある。ここで貴重な植物はミズワラビ、ツリフネソウなどである。オギ、ヨシの群落にはホンシュウカヤネズミが多数生息し、川岸付近ではイタチが見られる。
上手館跡(古代・中世P三三六)と呼ばれる遺跡があった台地西縁にはアカマツ林がある。この林は最も樹高の高いアカマツと、これより少し低いコナラ、エゴノキ、アカシデなどの雑木林となっており、クサギやアカメガシワ、ゼンマイ、ヤブコウジなどもある。
市の東部は西部に比べて希少動植物は少ないが、公共的な土地利用が多いので、アカマツ林の景観と湿地植生のあるこの地域は、貴重な自然を生かす場所としてあげることができるだろう。

<< 前のページに戻る