北本市史 通史編 原始

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第2章 豊かな自然と共に

第2節 時期区分と土器の変遷

縄文時代を六期に区分する
一万年も続いていた縄文時代のこと、初めの方とか終わりの方とか言っても紛(まぎ)らわしいので、土器の変化を基準に六つの時期に区分している。古い方から草創期(そうそうき)、早期、前期、中期、後期、晩期の六つの時期である。およその年代で言えば、草創期はB・Cー万年から三千年間、早期はB・C七〇〇〇年から三千年間、前期はB・C四〇〇〇年から一千年間、中期はB・C三〇〇〇年から一千年間、後期はB・C二〇〇〇年から一千年間、晩期はB・Cー〇〇〇年からB・C三〇〇年までの七百年間である。
この時期区分は、土器の変化を基準に設定したものであるが、土器の変化そのものが、自然現象を背景にした社会変化を間接的に示しており、縄文社会を五百年から一千年単位で分析したり叙述したりする時になくてはならない区分である。草創期の区分は、昭和三十七年(ー九六二)に設定され、その折りには花輪台式土器(はなわだいしきどき)以前を草創期、三戸式土器(みとしきどき)以降を早期に区分すると提唱された。原始資料編P二九一ではその区分を採用したが、本編では近年最も広く使用している井草式土器(いぐさしきどき)以降を早期とする説を採用した。また、ごく最近、草創期の前に「遡源期(そげんき)」を設定することが提唱されたが、学説として定着するにはいま暫(しばら)く時を要しよう。

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