北本市史 通史編 古代・中世

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第6章 後北条氏の武蔵進出と岩付領

第4節 後北条氏の支配と北本

宫内・別所村の開発
天正五年(一五七七)三月十一日、助次郎より鴻巣宮内百姓中と鴻巣別所百姓中に出された判物が伝えられている(古代・中世No.二一三)。両者は全く同文で、不作地(不耕作地)について、当年より五年間、荒野(年貢免除地)に指定してその開発を奨励し、近年の荒野開発令と混同しないよう伝達した。宮内・別所とも市域にあり、後北条氏の開発政策は市域にも直接及んできた。文書の宛所より、両村は鴻巣郷に属していたことが確認される。助次郎は岩付城付の有力家臣または鴻巣郷の領主として、この開発指示を出したのである。
荒野の期間は十年・五年等種々あり、一定していなかったことがわかる。免税の期間は、現地の状況を知っている代官が、不作田畑の程度を判断して決定した。助次郎の指示により、この開発とは別に以前から別の開発奨励策が周辺地域に出されていたことがうかがえる。市域でも荒地の開発が盛んに行われ、農業整備が進んできた。

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