北本市史 通史編 近代

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第2章 地方体制の確立と地域社会

第2節 農事改良と農業の振興

2 荒川の舟運業

荒井橋の開通

写真61 冠水橋だった頃の荒井橋

昭和八年三月十五日に荒井橋が開通した。
この荒井橋の開通により、北足立郡鴻巣町・桶川町方面から石戸村を通って、比企郡松山町に通じる道が、荒川によって遮断されずに往来ができるようになった。
開通式当日の様子が、『東京日日新聞』(近代No.一一五)に記されているが、それによると開通式は午後四時に行われ、内務省直轄荒川改修事務所技師のほか、関係町村代表者七十余名が列席した。両岸の東吉見小学校と石戸小学校の上級生徒の渡り初め式が行われ、相撲・神楽(かぐら)・青年団の郷土芸能大会が催されるなどの賑(にぎ)わいをみせていたことが記されていた。当時の人々が、この橋に抱いた期待のほどが知らされる。当初の荒井橋は、冠水橋で、全長九十メートル、幅員四メートル、工事費九〇〇〇円を要した木橋であった。

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