北本市史 通史編 近代

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第3章 第一次大戦後の新展開

第1節 地方自治制の再編成

1 地方改良運動から民力涵養運動へ

島田知事の訓示
県下では、明治四十二年ごろから各地で戊申詔書(ぼしんしょうしょ)の捧読会(ほうどくかい)が開かれ、地方改良講習会も開催されるようになった。ちょうどそのころ、島田知事は郡長会議の席上で、「県民の教化と富力(ふりょく)の充実とを遂(と)げ、国運の発展を助成し詔書の聖旨(せいし)に奉答(ほうとう)せん」(『埼玉新報』明治四十二年五月二十七日付)ことを要請した。そしてこの会議において、次の事項について指示した。
 一、自治矯風奨善(きょうふうしょうぜん)・教化・経済各方面での成績優良な団体および個人の表彰
 二、勤倹貯蓄の奨励
 三、郵便貯金と地方経済との調和(勧業銀行・農工銀行等を通じての地方公共団体への低利資金供給)
 四、町村行政事務の監督および整理
 五、町村税滞納の弊習(へいしゅう)の改善
 六、町村基本財産および学校基本財産の蓄積
 七、教育の改善(補習教育の奨励ほか)
 八、義務教育年限延長の成果の徹底(就学率の向上)
 九、耕地整理の普及

これらの内容は、郡長を通じて各町村長に伝えられ、その徹底が町村行政における当面の重要問題となった。

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