北本市史 通史編 現代

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第1章 戦後復興期の北本

第6節 混乱期の社会生活

1 混乱期の社会生活

伝染病の発生と対策
戦後、衛生面が未整備の頃、伝染病が頻発(ひんぱつ)した。発生の原因は、主に、井戸水の汚染、劣悪な環境、食料不足による栄養失調などであった。伝染病の中でも赤痢(せきり)患者の多いことが埼玉県の特徴であった。
北本における伝染病の発生状況は表15に示したとおりであるが、県全体の傾向と同様に赤痢が圧倒的に多かった。そのため様々な対策がとられた。代表的なものが、DDTの散布である。伝染病はシラミによって媒介(ばいかい)されるものが多く、そのシラミを駆除するために、DDTが散布された。また、広報を利用して伝染病予防を住民に呼びかけることも重要な対策であった。しかし最も効果のある対策は衛生施設の近代化であった。昭和四十年代に入り、し尿処理場・浄水場が建設されると、赤痢の発生も年々減少していった。
表15 伝染病発生状況  (単位:人)
病名
年度
赤痢(せきり)・疫痢(えきり)腸チフス日本脳炎しょう紅熱ジフテリア
昭和23年3
2492
253222
2621
27201
2813
292021
30981
31341
32411
334
345
35151
36
3721
383
394
40101
415
423
431
44
453
464

(『町勢要覧』『広報きたもと』より作成)


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