北本市史 通史編 現代

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第2章 都市化から安定成長へ

第2節 北本市の発足と市政の展開

1 北本市の発足

紛糾(ふんきゅう)深めた運動反対
また、解脱市を支持し、反対運動への署名や請願運動に反対する動きもあったが、その手段が必要以上に問題を紛糾させた憾(うら)みなしとしない。次にあげる『勝栄会のみなさんへ』と題するチラシの抜粋(ばっすい)は、その一例である。
☆キケンな白紙委任状
勝栄会の臨時総会通知に委任状がついています。具体的な内容をはっきり示さない委任状は、少数の人がある目的のために勝手に決めて、委任状があったのだからといって強引にひきずり込んでしまう手段です。
☆市民運動・住民の声というが実は?
特定の政党が、その仲間だけでは少ないので、住民運動と称してまき込んでいます。議題だけの委任状に署名してハンを押(ママ)したら、いつの間にか某政党のメンバーに加担(ママ)していた?ということになります。

同じような考え方は、『町の皆さまにお願い』と題する明るい町をつくる会のチラシにもみえる。
(前略)わたくしたちは、この町がいたずらに紛糾し、政争の具とならないためにも、(中略)市名をみんなで検討した上で決定すべきものと考えます。
一部の人たちの言動にまどわされることなく、また、その人たちの宣伝に左右され、憂(うれ)いを後にのこさぬようにしたいものです。
署名うんぬん、ということも聞くところですが、これについては、いずれ町民のみなさまとよく話し合い、その意見を綜合し、実情を極めた上でおこなって欲しいと思いますので、それまでさし控えていただきたいことを併せてお願い申しあげます。

(北本市資料)


これらは概して時代錯誤(さくご)としかいいようがない。果たして「自分が『げだつ市』を口走ることが善で、(中略)これを否定するのが悪であるとするのはどういう論理から生まれるのでしょうか」(現代No.四十九)といった激しい反発を招いただけであった。

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