北本市史 通史編 現代

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第2章 都市化から安定成長へ

第2節 北本市の発足と市政の展開

3 「緑に囲まれた北本市」づくり

緑のマスタープラン

写真39 高崎線沿線のグリーンベルト

平成3年 北本宿

第一次・第二次総合振興計画を通じて、北本市が目ざす将来像は、「緑に囲まれた健康な文化都市」にあった。なかでも「緑」に対しては、『緑のマスタープラン』(昭和五十四年策定、平成元年見直し)を計画の中に取り込み、長期的な観点に立った施策が実施されてきた。その一例が保護地区や保護樹木の指定を定めた緑化推進要綱(昭和五十四年制定)であり、緑と花のまちづくり基金の設置・管理に関する条例(昭和六十-年制定)である。また公園・緑地は次のように整備が進んだ(『北本市緑のマスタープラン策定報告書』)。
児童公園   六十一か所(六.五九へクタ—ル)
近隣公園     五か所(八.五七へクタール)
総合公園      一か所(五.九八ヘクタ—ル)
緑 地       二か所(一 .九七へクタ—ル)
第二次総合振興計画も第一次計画と比べて、その基本計画が変わるものではないが、第一次計画がより基本的な最低限の施策に重点が置かれ、「緑」に関連する施策がやや遅れがちだったのに対し、第二次計画ではより豊かな生活のための施策が求められるようになり、緑のマスタープランが描く諸計画は、一層重要な課題となっている。
同プランは、緑地の現況を ①環境保全系統 ②レクリエ—ション系統 ③防災系統 ④景観構成(けいかんこうせい)系統の四つの機能から評価し、将来の人口分布や市街化の動向などを想定して、保存すべき緑地や整備すべき施設を提示し、総合的な緑地配置を立案している。ここではごく大まかな緑地の配置計画だけを示す。
  • 荒川とその河川敷一帯、荒川河川敷に隣接する北本自然観察公園、北里メディカルセンターおよび阿弥陀堂(あみだどう)周辺の樹林地は、近郊緑地保全地区として保全する。
  • JR高崎線沿線の樹林地は、都市緑地として保全・整備する。
  • 西後(にしうしろ)保護地区の景観樹林地は今後も保全する。
  • 高尾氷川神社・荒井地蔵堂・古市場上手館跡(うわでやかたあと)解脱会の樹林地について、保全策を講ずる。
  • レクリエーション緑地として北本総合公園・北本自然観察公園の整備を図り、荒井橋周辺に運動公園を配置する。
  • 近隣公園以上の公園は、防災公園としての機能を高める。
  • 児童公園は適正に配置し、近隣公園は各住区に一か所、地区公園はJR高崎線の東西に各一か所を配置する。
  • 各緑地を結ぶ遊歩道、サイクリング道路を整備し、都市計画街路の街路緑化を進める。

注、みどりのまちづくりアンケート(昭和六十一年十一月実施、対象一五〇〇人、有効回答数一一〇人)によれば、北本市の緑といえば、四六パ—セントが高崎線沿線の雜木林を思い浮かべ、三〇パーセントがこれを保全すべきだと答え、最も身近な緑地であることを示している。
以上のような緑のマスタープランに対して、最も顕著に具体化されているのが第二次総合振興計画後期中期計画(平成三年策定)であり、西部一帯は自然観察公園や「さくらと歴史の郷」として、現在建設が進みつつある。

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