北本市史 通史編 現代

全般 >> 北本市史 >> 通史編 >> 現代

第2章 都市化から安定成長へ

第2節 北本市の発足と市政の展開

3 「緑に囲まれた北本市」づくり

ふるさと創生あれこれ
竹下内閣が提唱した政策の目玉「ふるさと創生(そうせい)」は、昭和六十三年補正予算及び平成元年度予算において、各市町村へ一律一億円の交付が決まり、自治省による「自ら考え自ら行う地域づくり事業」が始まった。
北本市では平成元年度前半期を通じて、市職員・市政モニター・コミュニティー推進協議会のほか、広く一般市民からアイディアを募集したところ、一〇九件の応募を得た。その内容は多岐(たき)に及んだが、とくに自然環境整備(三十件)、文化・スポーツ振興(二十五件)に阕連する提案が多かった。
これを市の中堅職員で構成する「自ら考え自ら行う地域づくり事業推進委員会」で検討し、次の六項に整理した。
  • 「緑」に関する事業
    既存の雑木林を借用又は買収し、自然を残した雑木林公園を設置する。
    高崎線沿線の雑木林の保全を図る。
  • 「桜」に関する事業
    公共施設をはじめ、可能な限り公園、街路、河川敷、事業所等に市の木「桜」を植栽(しょくさい)し、イベントの開催等観光化を図る。
  • 石戸城復元を図り、それを利用するか隣接して郷土資料館を建設し、周辺を歴史ゾーンとする。
  • 北本まつりの活性化
    各コミュニティーに「おみこし」一基、祭半てん一〇〇着を貸与する。
  • 基金の創設
    基金の利子を運用して緑化、ひとづくり、海外交流を図る。
  • 福祉の充実に関する事業
    シルバーコミュニティーホールを建設する。
    利子を運用して、痴(ち)ほう性老人等に対する介護(かいご)チームの増員をはかり、市内病院におけるショートスティを制度化する。

以上の六項のうち、市の木・桜を植栽することによって緑化を進めるとともに、「さくらのまち北本」のイメージアップを図り、他方郷土の歴史に対する住民の関心を高める、という二つの観点から二、三項が採用され、「さくらと歴史の郷づくり」と決定した。

<< 前のページに戻る