北本市史 通史編 現代

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第2章 都市化から安定成長へ

第7節 学校教育の発展と進む社会教育

3 社会教育の進展

生涯学習の推進
昭和五十年代半ば以降、生涯学習に対する国民の関心が全国的に高まってきた。直接的な契機となったのは、急激な社会の変化、高齢化社会の到来、余暇(よか)時間の増加などを背景にして行われた、昭和五十六年の中央教育審議会による「生涯教育について」の答申(とうしん)である。
北本では、全国的にも早い昭和六十年代初期から、生涯学習推進の必要性が強調され、六十一年には社会教育委員からの「意見具申(ぐしん)」、六十二年には公民館運営審議会からの「答申」によって生涯学習推進の提言が行われ、市として生涯学習を推進する気運が高まってきた(北本市資料)また、施設面でも、すでにふれたように、文化センターをはじめとして、各地区にある公民館、勤労福祉センター、コミュニティーセンターなどの整備が進んでいた。こうした社会教育施設、活動の充実に加え、生涯学習推進に対する意欲的な取り組みが評価され、平成元年度には、文部省から「生涯学習まちづくり推進モデル事業」の指定をうけることとなった。
文部省からモデル事業指定をうけたことにより、同年、「北本市生涯学習推進市民会議」、「北本市生涯学習推進本部」が組織され北本の生涯学習の推進をさらに積極的なものにした。
翌平成二年三月、第一回北本市生涯学習市民大会が開催され、市民の間にも生涯学習の意義が浸透(しんとう)することとなった。さらに、同三年には「北本市生涯学習まちづくり基本計画」が策定(さくてい)された。まちづくり基本計画は、一〇年を期間とする基本構想と、五年を期間とする基本計画から構成されているが、以下、五年を期間とする基本計画を抜すいし、紹介してみよう。
一、生涯学習推進体制の整備充実
  • Ⅰ、生涯学習推進組織の充実と推進事業の促進
  • Ⅱ、学習施設の整備とネットワーク化の促進
  • Ⅲ、学習情報の収集と提供及び学習相談体制の整備
  • Ⅳ、指導者養成と活用の促進
  • Ⅴ、生涯学習推進の専門的職員の充実
二、学習活動の充実
  • Ⅰ、生涯各時期の学習機会提供の充実
  • Ⅱ、個人学習への対応
  • Ⅲ、家庭教育の奨励と青少年育成
  • Ⅳ、長寿社会への対応
  • Ⅴ、心身の健康づくり促進
  • Ⅵ、生涯スポーツの奨励
三、自治と連帯の促進
  • Ⅰ、豊かな自然を活用したまちづくりの促進
  • Ⅱ、生涯学習の推進とコミュニティーの形成
  • Ⅲ、郷土文化の伝承と創造活動の奨励
  • Ⅳ、ボランティア活動と福祉啓発(けいはつ)の推進
  • Ⅴ、人権意識の高揚(こうよう)と同和教育の推進
四、産業の育成と国際化の促進
  • Ⅰ、職業学習の促進
  • Ⅱ、産業の育成と学習機会の促進
  • Ⅲ、国際理解と国際協調の推進
五、連絡調整と連携(れんけい)の推進
  • Ⅰ、学校教育の開放と学社連携の促進
  • Ⅱ、行政内部の連絡調整と連携の促進
  • Ⅲ、団体間の連絡調整と連携の促進

(北本市生涯学習まちづくりの基本計画より)


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