北本市史 資料編 自然

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第7章 北本の動物

第2節 北本の水生動物

4 水生昆虫

昆虫類のうちで、一生を水中で過ごすものや幼虫時代を水中で過ごすものをまとめて、「水生昆虫」と呼んでいる。水生昆虫の多くは釣りの餌として使われ、「カワムシ」「チョロ」などと呼ばれている。
北本市を流れる荒川の水生昆虫の研究は昭和十七年から須甲鉄也氏によって進められ、現在までに二六〇種が確認されている。調査地点は川又、落合、秩父、皆野、長瀞、熊谷、鴻巣、秋ヶ瀬である。下流域の秋ヶ瀬は流速も遅く、礫もない。しかし、北本市は、下流域でありながら、流速も速く、所々に礫があり、河川型としての瀬、淵、淀みを備えているので流水性の水生昆虫が生息している。また、池沼も市内に点在し、止水性の水生昆虫も生息している。現在のところ、北本市ではカゲロウ目一五種、トンボ目六種、カワゲラ目一種、半翅目九種、甲虫目二八種、トビゲラ目六種、双翅目ー〇種の七目七五種が確認され、これは埼玉県内に生息する水生昆虫の約二八.八パ—セントにあたる(表8)。
表8 埼玉県内の市町と荒川に生息する水生昆虫の種類数
調査対象 荒川 寄居 神川 久喜 北本
カゲロウ目 53 33 28 16 
トンボ目 22 43 26 6
カワゲラ目 36 10 0
半 翅 目 18 10
広 翅 目 00
扁 翅 目 0000
トビケラ目 52 22 22 
鱗 翅 目 0000
甲 虫 目 37 21 28 
膜 翅 目 000
双 翅 目 37 10 
総種類数 260 130 89 65 76 

(『荒川総合調査報告書Ⅰ』1987年より)


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