北本市史 資料編 自然

全般 >> 北本市史 >> 資料編 >> 自然

第7章 北本の動物

第2節 北本の水生動物

4 水生昆虫

③蓮沼の水生昆虫
蓮沼は旧荒川で長さ七五〇メートル、幅五四メートルの三日月湖である。現在、流入する川はなく、流水系は閉鎖されている。南側の下方は溝となって、荒川に注いでいる。したがって、農薬・家庭雑排水の影響はなく自然環境のよい沼である。水面上にはヒシが繁り、川岸にはヨシ・マコモが生えている。水生昆虫にとって、格好の棲み家である。
フタバカゲロウは池沼に生息するカゲロウである。卵から成虫になるまでに夏季では二〇日から三〇日と非常に短い。成虫はよく灯火に集まる。

写真17 コバンムシ

トンボ目はホソミイトトンボ・クロイトトンボ・オオセスジイトトンボ・オニヤンマ・シオカラトンボなどが生息し、個体数も多い。
半翅目はアメンボ・ミズカマキリ・ヒメミズカマキリ・コバンムシ・チビミズムシ・ミズムシなどが生息し、個体数は多い。
コバンムシ(写真17参照)は体長一二ミリ、緑色の虫である。埼玉県内でも正確な記録はなく、北本市の蓮沼が埼玉県初記録である(平成元年八月二十八日、三頭採集する)。ミズムシは集団で生活し、蓮沼の東端の川岸に集まって生活している。
ゲンゴロウ科は北本市内に一三種確認されたがそのうちの一〇種が蓮沼に生息している。特にマメゲンゴロウ・ヒメゲンゴロウ・ツブゲンゴロウ・ゴマダラチビゲンゴロウ・シマチビゲンゴロウの個体数は多い。
ガムシ科は北本市内に一三種確認されたが、そのほとんどが蓮沼に生息している。
トビケラ目は、アオヒゲナガトビケラの一種が確認できた。本種は沼岸で波に洗われた砂粒を材料として巣を作っている。

<< 前のページに戻る