北本市史 資料編 自然

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第7章 北本の動物

第2節 北本の水生動物

4 水生昆虫

④湧水の水生昆虫

写真18 オニヤンマの幼虫

北本市内には湧水が数多く、特に西側の高尾・荒井・石戸宿に湧水が集中し、その水量も毎秒二.九リットルから一五.一リットルと多い。これらの湧水はいくつか集まり、小川となって荒川に注ぐ。小川の川底は砂と直径五ミリぐらいの泥粒からなる。
オニヤンマ・オナシカワゲラの一種、アメンボ・マメゲンゴロウ・オオイチモンジシマゲンゴロウが生息し、北本市西側の湧水に共通して見られる水生昆虫といえる。
オニヤンマ(写真18参照)は小川の砂泥上で生活する。
オナシカワゲラの一種が湧水の砂泥上に多数生息している。埼玉県内のオナシカワゲラの分布はいずれも山地渓流域に限られている。北本市に生息できるのは、水質環境がよく、冷水のためである。平野部に生息するのは珍しい例といえよう。北本市で確認された唯一のカワゲラである。オナシカワゲラ類の成虫は日本に一六種発見されているが、幼虫の確認はまだされていない。北本で採集した羽化直後の成虫はいずれの成虫にも該当していなかった。
マメゲンゴロウは小川の水草の間に多数生息する。特に六月から七月に多い。
オオイチモンジシマゲンゴロウは希少種であり、石戸宿での採集報告がある。北本市での生活環境は、湧水から流れる小川で、川幅三〇センチから五〇センチ、一ミりから五ミリの泥粒が多く、枯葉が三枚から五枚ほど重なったところに生息している。

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