北本市史 資料編 原始

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第2章 遺跡の概要

第1節 荒川沿岸の遺跡

城中Ⅱ遺跡 (大字高尾字城中)
遺跡は荒川の一小支谷の谷頭南側の台地上に位置している。標高三一メートル前後のほぼ平坦地である。西側の沖積面の標高は一九メートルで、比高差は一二メートルである。
採集遺物は縄文土器のみである。図84の3は器内外面に条痕文を縦方向に施文している。早期末の茅山式。
1・6は中期の加曽利(かそり)E式。1は沈線による懸垂文と縄文LRを施文している。6は細い沈線で四角に囲み、内側に太い沈線で弧を描いている。

図83 城中Ⅱ遺跡位置図

2・4・5・7は後期の堀之内式。7は口縁部の破片で、最も厚い部分で二センチある。太い沈線、深いえぐりにより彫刻的な文様を施文している。2は器壁厚が四~五ミリと薄手である。へラによる鋭利な細い沈線を施文している。5は器壁厚七~八ミリと薄手で、内面は滑沢をおびている。地文は縄文RLで、その上から細い沈線を縦に三本施文している。4は全面縄文の粗製土器である。縄文はLRである。

図84 城中Ⅱ遺跡出土遺物拓影図

写真42 城中Ⅱ遺跡現状


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