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第10章 民俗芸能・遊戯

第1節 民族芸能

2 各地域の囃子連

(三)練   習
石戸宿と北中丸の囃子連の練習についてみていく。
石戸宿では寺の庫裏などで練習した。時期は、麦蒔きなどの農作業が一段落した後とか、天神様の祭礼である二月二十五日と十月十五日のそれぞれ一週間前くらいからである。
初めて囃子を習う場合は、ツケ(小太鼓)から始める。黒板に囃子の文句を書いておき、その文句を声をだしながら習うという。タマ(大太鼓)までやれるようになるのは難しいという。タマはツケが叩きやすいように、ツケが叩く間に、打ち込むためだという。スリガネ(すり鉦)が難しいのはツケ、タマ両方の部分を受け持っているからだという。笛は誰でもできるわけではないが、笛を吹く人はツケもタマも叩けないと駄目だという。
北中丸では農閑期に練習した。宿は地区の天王様の氏子である全ての家である。今夜はここの家、今夜はここの家というように、それぞれの家を回って練習する。宿の家では、サツマイモを蒸かして出してくれたりした。ツケは一年間で大体できるようになるが、笛は三年くらいかかるという。笛を吹く人は、桶川の祇園祭には、川越の笛屋が笛を売りに出ているので、そこにいって吹いてみて、買ったりしたという。

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