北本市史 民俗編 民俗編一覧
第10章 民俗芸能・遊戯
第2節 民謡
北本市で歌われていた民謡は、土地の様子を反映して畑作に関する歌が多い。中でも、「麦打ち歌」は数多く採取された。また、荒川に近い地域では、土手普請の際に歌われたものも残されていた。しかし、それらの歌も実際の作業が消えていくにしたがい、歌い継がれることもなくなってきている。作業に関する歌、仕事歌などは、暑いさかりに気をまぎらせたりするのに歌われたため、即興で歌われることが多く、多くはその場その場で歌い手が入れかわりながら歌いついでいった。そのため、数多く採取された歌も、伝承者により少しずつ歌詞や合いの手が違っている場合が多い。
そこで、この節では代表的なもののみを記述し、それ以外は、伝承者の名前を併記するにとどめた。