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第11章 伝説・世間話・昔話・諺

第1節 伝説

7 一 夜 堤
   石戸宿
a 永禄五年(一五六二)十二月。北条氏政は、氏邦に命じて上杉方のこの城を攻めたが、時の城主毛利丹後守の守りが固く、なかなか落ちない。そのとき、上杉謙信の援軍がくると聞いた氏邦は、一刻も早く城を落とそうと考え、暗夜に乗じて、東北の台地と城の間の沼地に堤を築き、一挙に攻めいって勝利を手中にした。この堤は、今も「一夜堤」と呼ばれている。
  ▽「埼玉県伝説集成」中昭和四—八年韮塚一三郎編

b 天正十八年(一五九〇)。豊臣秀吉は関東を平定すべく、小田原の北条攻めを開始した。石戸城もこのとき、四月八日、秀吉麾下の軍勢に攻められている。
「一夜堤」の名もこのときに残った。一夜堤は、石戸城の前面が堅固なため側面の湿地帯を一夜にして埋め、朝日を背にして攻め込んだ豊臣方が残したものである。
  ▽「埼玉百科事典」埼玉新聞社、昭和四十九年

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