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第11章 伝説・世間話・昔話・諺

第1節 伝説

31 寿命院の宝剣様
この話は、いつのころのことなのかはわからないんですが、ある日、一人の侍が寿命院の脇の道を通りかかったんだってことです。で、小用をたそうと思って立ち止まり、茶園(茶の垣根のこと)の上に拝領の刀を置き、用をすませた。それで、しばらくいってから、刀を忘れたことにはっと気が付き、とりに帰り、近所の人に聞いたら、「そうですねえ、刀は無かったけど、大きな蛇が一匹茶園の上にいました。」こういう答えを近所の畑にいた人なんかがいったそうです。
これは弱ったなあ、誰かに取られたんかなと思って、刀を置いたとこまでもどったら、なくしたと思った刀はちゃんとあったっていうんですね。
これが「宝剣様」の言われなんですけど、こういう威カというか、非常に立派な力のある刀が寿命院に納まっているそうなんです。
  ▽話者・・・関口重太郎さん(深井明治四十二年生)

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