北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第11章 伝説・世間話・昔話・諺

第2節 世間話

1 オトカの嫁入り(一)
今でもこの地方には狐・狸がいます。狐をオトカともいうそうだ。昭和の始めころまでは、そこここで、オトカにばかされさ、とりつかれた、という話、狐の嫁入りの話を聞いたもんだ。
初午(三月)の宵待ちには、高尾の家の玄関わきの出窓から雷(いかち。地名)の猿山(さるやま。地名)で狐の嫁入りが見えた。手前が湿田、靄(もや)の向こうの雑木林の中で赤だいだい色の提灯の明かりのように見えるものがポ、ポ、とついたり消えたりして右に左に行きかうのが見えた。これを狐の嫁入りというのだそうだ。
  ▽田島和治「おじいさんの むかしばなし」(鴻巣市小松)

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