北本市史 民俗編 民俗編一覧
第11章 伝説・世間話・昔話・諺
第2節 世間話
11 車 橋加納天神道が菖浦へ行く道と分かれる少し手前を小さな堀が横切っている。この堀は「逆さ川」というが、ここに、かって、「車橋」と呼ばれた橋がかかっていたのである。
この橋は、「車橋を渡ったか、常勝寺の水を飲んだか。」といわれたくらい有名であって、道を通る人が不自由するのを見たあるおばあさんが、糸車をひいて稼いだお金で造ったのだという。
なお、「常勝寺の水」とは、鴻巣市の滝馬室にある常勝寺の「じゅんさい」がとれたという冷たい豊富な湧き水のことである。
▽話者・・・加藤はなさん(北中丸大正四年生)