北本市史 民俗編 民俗編一覧

全般 >> 北本市史 >> 民俗編 >> 民俗編一覧

第11章 伝説・世間話・昔話・諺

第3節 昔話

1 十二支に猫がいないわけ(一)
お釈迦様がね、大事な相談があるから、あした私のとこんに来るようにって、言い継ぎを回したんですね。
それを猫は聞いてなかったわけ。それで、ねずみに「いつ行くんだつけ」といったら、本当はあしたなんだけど、うそをいったわけ。「あさってだよ」
それで、ねずみは次の朝は早く起きてお釈迦様の所へ行こうとしたら、前を牛がね、のそのそ歩いて行くんで、初めのうちは一緒に行ったんだけどどうにも一緒にくっついて行くのが大変なので牛の背中へ乗ってしまったんですよね。それで、お釈迦様の前に着いたとたんにぴょいと跳び降り、「一番です。」といっちゃったのね。
それで、お釈迦様はねずみを一番に、牛を二番、兎を三番、四番が虎というふうに十二支を次々に決めたんですよね。
それで、そこに集まった動物はその年の守り神になったんかしら。
で、猫は翌日行ってみたら、もう、それは昨日のことなんだっていわれ、それからは猫はねずみの姿を見るととっ捕まえることにしたって話。
  ▽話者・・・岡田知恵子さん(西高尾昭和三年生)

<< 前のページに戻る