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第11章 伝説・世間話・昔話・諺

第1節 伝説

3 龍 灯 杉
   高尾 氷川社
昔、氷川社の境内に二丈五尺の大杉があって神木と称えられていた。万治三年(一六六〇)七月二十二日の夜、新井某がこの神木の付近を通ると、龍灯の昇天する恐ろしいさまを見た。何か異変でもあるのではないかと、すぐ当社の別当所に知らせると、時の住職英真法印も驚いて共に出てみると、疑いなくそれであるので、二人は奇異な事実に異様な眼をみはったという。
この御神木は、元禄十四年(一七〇一)十月二日の大風で根元から吹き倒されてしまった。氏子の人たちは非常に惜しんで、其の跡を掘り上げて島とし、宮居を建てた。厳島社がそれである。
  ▽石戸尋常高等小学校「石戸郷土読本」昭和七年

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