第12章 民俗の変化と変貌

第4節 年中行事

残存するもの
今でもやっているものを、比率の高い順にあげると、第一位が彼岸の墓参り(九三.九％)、第二位が年越しソバ(ウドン)を食べる(九〇.八％)、第三位が正月のお供えもち(八六.七％)'第四位が冬至のゆず湯(八六.二％)、第五位が彼岸に親類の仏壇に参る(八五.四％)、第六位が彼岸にボタモチを作る(八四.四％)、第七位が節分の豆まき(七九.〇％)、第八位が冬至にカボチャを食べる(七六.〇％)、第九位が正月のシメ飾り(七五.二％)、第十位が盆に盆棚を飾る(六九.三％)、第十一位が大みそかにミソカッパライをする(六二.七％)、第十二位が正月の年男(四八.八％)、第十三位が節分のイワシの頭さし(四五.五％)、第十四位が初午の赤飯(四三.〇％)、第十五位がエビス講の高盛り御飯(四一.七％)、第十六位が七夕に小麦マンジュウをこしらえる(三八.四％)、第十七位が七夕に竹を立てる(三六.三％)、第十八位がオヒマチにもちをつく (二五.一％)、第十九位が初午のスミツカリ(二一.〇％)、第二〇位が小正月のマユ玉団子(十八.九％)、第二一位が初午にふろをたてない(十一.五％)、第二二位が七夕にマコモの馬を作る(十.七％)、第二三位が田植えのサナブリのボタモチ(十.〇％)'同率で、サナブリに苗をオカマ様に供える(十.〇％)、第二五位がオヒマチのもちを親類に配る(七.九％)、第二六位がエビス講のカケブナ(六.九％)、第二七位が六月(か七月の)一日に麦ヌカをもやす(二.八％)、同率で、盆に仏様を田畑に案内する(二.八％)、第二九位が二月八日や十二月八日に目籠(ミケエ)をかかげる(一.三％)などとなっている。年こしそば(ウドン)や正月のお供え餅、冬至のゆず湯などのように全国的に行われている行事、彼岸や盆などの先祖まつりの行事は、今でもよく行われている。
①彼岸の墓参り　地区別で比率が最も高い地区は、下石戸下地区(九七.四％)、二位が荒井・高尾地区(九七.二％)、三位が深井・宮内地区(九六.七％)、同率で、北本地区(九六.七％)である。比率の最も低い地区は、本町地区(七三.三％)、低い率二位は公団地区(八一.〇％)である。
②年越しソバ(ウドン)を食べる　地区別で比率が最も高いのは、下石戸上地区(九六.八％)、二位が北本地区と、本町地区(九三.三％)である。比率の最も低い地区は、本宿・北中丸地区(八二.九％)、低い率二位は石戸宿地区(八八.九％)である。
③正月のお供えもち　地区別で比率が最も高い地区は、下石戸下地区(九七.四％)、二位が荒井・高尾地区(九七.二％)、三位が東間地区(九五.七％)である。比率の最も低い地区は、石戸宿地区(五一.九％)、低い率二位は北本地区(七三.三％)、低い率三位は公団地区(八一.〇％)である。石戸宿地区の比率が低いのは、正月に餅をつかない、食べない、飾らない、餅なし正月の家が存在するからであろう。
④冬至のゆず湯　地区別で比率が最も高い地区は、北本地区(一〇〇％)、二位が荒井・高尾地区(九〇.三％)と下石戸上地区(九〇.三％)である。比率の最も低い地区は、公団地区(五七.一％)、低い率二位は東間地区(七八.三％) である。この項目をはじめ、各項目で北本地区が上位にあるものは、町場で自営業者が多いという地区の特徴を示しているように思われる。
⑤彼岸に親類の仏壇に参る　地区別で比率が最も高い地区は、北本地区(九六.七％)、二位が深井・宮内地区(九三.五％)、三位が本宿・北中丸地区(九〇.二％)である。比率の最も低い地区は、公団地区(三三.三％)、低い率二位は本町地区(五三.三％)である。
⑥彼岸にボタモチを作る　地区別で比率が最も高いのは、荒井・高尾地区(九四.四％)、二位が下石戸上地区(九三.五％)、三位が本宿・北中丸地区(九二.七％)である。比率の最も低い地区は、本町地区(四〇.〇％)、低い率二位は公団地区(四二.九％)である。
⑦節分の豆まき　地区別で比率が最も高い地区は、北本地区(九〇.〇％)、二位が下石戸下地区(八四.六％)、三位が荒井・高尾地区(八三.三％)である。比率の最も低い地区は、本町地区(六〇.〇％)、低い率二位は公団地区(六一.九％)である。
⑧冬至にカボチャをたべる　地区別で比率が最も高い地区は、北本地区(九六.七％)、二位が下石戸上地区(八七.一％)、三位が下石戸下地区(八四.六％)である。比率の最も低い地区は、公団地区(五七.一％)、低い率二位は東間地区(六五.二％)である。
⑨正月のシメ飾り　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(八八.九％)、二位が下石戸上地区(八七.一％)、三位が東間地区(八二.六％)である。比率が最も低い地区は、公団地区(十九.〇％)、低い率二位は本町地区(四六.七％)である。
⑩盆に盆棚を飾る　区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(八七.五％)、二位が石戸宿地区(八五.二％)、三位が本宿・北中丸地区(八二.九％)である。比率の最も低い地区は、公団地区(十四.三％)、低い率二位は本町地区(二〇.〇％)である。
⑪大みそかのミソカッパライ　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(八三.三％)、二位が下石戸上地区(七四.二％)、三位が北本地区(六六.％)である。比率の最も低い地区は、公団地区(四.八％)、低い率二位は本町地区(二六.七％)である。
⑫正月の年男　地区別で比率が最も高い地区は、本宿・北中丸地区(七三.二％)、二位が下石戸下地区(六四.一％)、三位が荒井・高尾地区(五八.三％)である。比率が最も低い地区は、公団地区(四.八％)、低い率二位は本町地区(六.七％)である。
⑬節分のイワシの頭さし　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(六六.七％)、二位が下石戸上地区(五四.八％)、三位が北本地区(五〇.〇％)である。比率の最も低い地区は、本町地区(六.七％)、低い率二位は公団地区(二三.八％)である。
⑭初午の赤飯　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(七五.〇％)、二位が下石戸上地区(六七.七％)、三位が石戸宿地区(四八.一 ％)である。比率が最も低い地区は、公団地区(〇％)、低い率二位は本町地区(十三.三％)である。
⑮エビス講の高盛り御飯　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(六一.一％)、二位が下石戸上地区(五四.八％)、三位が北本地区(四六.七％)である。比率の最も低い地区は、公団地区(〇％)、低い率二位は本町地区(六.七％)である。
⑯七夕に小麦マンジュウをこしらえる　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(六六.七％)、二位が下石戸上地区(五一.六％)、三位が石戸宿地区(四四.四％)である。比率の最も低い地区は、公団地区(〇％)、低い率二位は本町地区(十三.三％)である。
⑰七夕に竹を立てる　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(五四.二％)、二位が下石戸上地区(四五.二％)、三位が下石戸下地区(四三.六％)である。比率が最も低い地区は、本町地区(六.七％)、低い率二位が公団地区(九.五％)である。
⑱オヒマチにもちをつく　地区別で比率が最も高い地区は、石戸宿地区(四〇.七％)、二位が深井・宮内地区(三五.九％)、三位が下石戸上地区(三五.五％)である。比率が最も低い地区は、公団地区と本町地区で共に〇％である。
⑲初午のスミツカり　地区別で比率が最も高い地区は、下石戸上地区(四八.四％)、二位が荒井.・高尾地区(四一.七％)、三位が下石戸下地区(二五.六％)である。比率の最も低い地区は、公団地区(〇％)、低い率二位は本町地区(六.七％)である。
⑳小正月のマユ玉団子　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(四三.一％)、二位が下石戸上地区(二九.〇％)、三位が本宿・北中丸地区(ニニ.〇％)である。比率の最も低い地区は、公団地区と本町地区で共に〇％である。
㉑初午にふろをたてない 　地区別で比率が最も高い地区は、北本地区(二三.三％)、二位が東間地区(十七.四％)、三位が荒井・高尾地区(十五.三％)である。比率の最も低い地区は、本町地区(〇％)、低い率二位は石戸宿地区(三.七％)、低い率三位は公団地区(四.八％)である。
㉒七夕にマコモの馬をつくる　地区別で比率が最も高い地区は荒井・高尾地区(二三.六％)、二位が下石戸上地区(十六.一％)、三位が本宿・北中丸地区(十ニ.二％)である。比率の最も低い地区は、東間地区と公団地区で共に〇％、低い率三位は北本地区(三.三％)である。
㉓田植えのサナブリのボタモチ　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(二三.六％)、二位が深井・宮内地区(十六.三％)、三位が本宿・北中丸地区(九.八％)である。比率ゼロが五地区ある。北本地区、公団地区、本町地区、下石戸上地区、石戸宿地区などである。
㉔サナブリに苗をオカマ様に供える　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(二九.二％)、二位が深井・宮内地区(十四.一％)、三位が本宿・北中丸地区(四.九％)である。比率ゼロの地区が四地区ある。東間地区・北本地区・公団地区・本町地区などである。
㉕オヒマチのもちを親類に配る　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(十八.一％)、二位が深井・宮内地区(九.八％)、三位が東間地区(八.七％)である。比率の最も低い地区は、公団地区と本町地区で共に〇％である。
㉖エビス講のカケブナ　地区別で比率が最も高い地区は、下石戸上地区(二二.六％)、二位が北本地区(十六.七％)、三位が荒井・高尾地区(六.九％)である。比率が最も低い地区は、公団地区と石戸宿地区で共に〇％、低い率三位は下石戸下地区(二.六％)である。
㉗六月(か七月の)一日に麦ヌカをもやす　地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(六.九％)、二位が下石戸上地区(六.五％)、三位が下石戸下地区(五.一％)である。比率ゼロが六地区ある。東間地区、北本地区、本宿・北中丸地区、公団地区、本町地区、石戸宿地区などである。
㉘盆に仏様を田畑に案内する　地区別で比率が最も高い地区は、東間地区(八.七％)、二位が荒井・高尾地区(五.六％)、三位が北本地区(三.三％)である。比率ゼロが四地区ある。本宿・北中丸地区、公団地区、本町地区、石戸宿地区などである。
㉙二月八日や十二月八日にミケエをかかげる　地区別で比率が最も高い地区は、本宿・北中丸地区(四.九％)、二位が荒井・高尾地区(四.二％)である。そのほかの地区はすべて比率がゼロである。