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第3章 農業と川漁

第2節 水田と稲作

3 稲作の過程

(二)植 え 田
この節の初めに述べたように、北本では昭和初期ころまでの稲作はほとんどが摘み田で、一部では昭和三十年代まで続けられていた。摘み田に代わって植え田が一般的になったのは、これ以後のことであった。摘み田と植え田の作業過程は、種籾を本田に直蒔きするか、苗代で苗を作って本田に田植えするかがもっとも異なる点である。他の作業は、たとえば田うないは植え田は一番うないを行うと、二番うないは荒代搔きを兼ねてしまうという具合いに簡単であった。また、水田の除草は、摘み田では入念に行われたが、植え田では二回程度というのが一般的だった。摘み田と植え田にはこのような違いもあるが、田うないの方法や過程、田の草以降の諸作業の方法と過程は基本的には同じであるといえる。
そこで植え田については、摘み田ともっとも異なる苗代と田植えについてだけ記すことにする。

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