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第4章 職人と技術

第1節 日常生活と職人

3 ゲタヤ(下駄屋)

島田源次郎さん(大正三年生)は一五歳になった時、東京の阿佐ケ谷の下駄屋へ奉公した。修業はそれから五年間続け、一年間お礼奉公をして兵隊検査を受け、昭和十四年、二六歳の時に北本市に来て店をもった。北本にきたのは、実家の近所に来た嫁さんの縁故があったからであった。
ゲタヤは一日五〇足作らないと仕事にならないといわれている。桐の木は桶川や川田谷の木がよいという。材料は三〜五年以上枯らした桐の木の原木を輪切りにして、トーフ型に一足分ずつ木どりをする。木どりは
    縦    横幅   高さ
男物 八寸三分 四寸五分 二寸〜一寸八分
女物 五寸   三寸五分 一寸七分〜一寸六分
となっている。そして、それぞれ余分を見込んでおり、仕上げの段階では五分だけそれより少なくなるように木どりをしているわけである。

図1 下駄の木どり

図2 木どり

写真1 下駄の木どり

写真2 型どり(北本3丁目 島田源治郎氏)

写真3 下駄三種


図3 ゲタヤの道具

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