北本市史 民俗編 民俗編一覧
第5章 交通・交易
第5節 行商
薬売り薬売りは、富山を始め、新潟や滋賀など各地からやってきて、行商をした。富山の置薬が最も広く利用され、現在でも続いている。越後の毒消売りは、女の人が組になってやってきて、行商をして歩くときは一人ずつに分かれて、夕方になると、それぞれオーイ、オーイと呼び合って集まり、宿に帰った。くるのは農閑期である。ジョウサイヤは、引き出しのついた箱を担いでカタカタいわせながら、暑い時期に中山道をやってきて、暑さ除けの薬を売って歩いた。農閑期には、かんのむしに効く孫太郎虫を売って歩く人が中山道を通ったという。