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第6章 衣・食・住

第1節 衣生活

4 嫁入り

婚礼の衣装
大正から昭和三十年代の婚礼衣装は、婿は紋付羽織に袴、嫁は江戸褄だった。江戸褄は、縮緬や羽二重のシ口と重ねにして着た。角かくしは表地が白、裏地が赤だった。昭和三十年代後半になると、打ち掛けを着る人がではじめ、結婚式も自宅以外でやるようになる。
婚礼に招かれた人は、男なら紋付羽織に縞の重ねの長着か袴、女の人も黒の紋付羽織を着た。紋付羽織や喪服などは持っていない人も多く、必要なときに持っている人から借りて着た。
紋付は、三つ紋が多かった。背は、衿から一寸八分下がったところ、袖は二寸下がったところに紋を付けた。
冠婚葬祭などで、台所を手伝う女の人は、できるだけきれいな(汚れていない・新しい)ハンテンを着て行った。ハンテンは、防寒着であるだけではなく、ちょっと近所へ用足しに行ったり、買い物に行くときに着て、家の中とは違う服装にしたいときにも着た。普段着は地縞や地絣だったが、よそゆきは、メリンスや銘仙など絹縞に織ったもので作った。

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