北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第6章 衣・食・住

第1節 衣生活

1 幼児の服装

オムツ
オムツは、浴衣やフトンガワをはずしたものなどで作った。嫁に来るときに持ってきた絣(かすり)の着物も、古くなるとオムツにした。
昭和二十年代までは、今日のオムツカバーというものはなく、そのかわりに、「綿入りオムツ」を使っていた。綿入りオムツは、普通のオムツよりひとまわり大きく、袋状に縫ったオムツに綿を入れたものである。洗濯するときに綿を出さなければならないので、綿入れ口はあけたままにしておいた。
綿入りオムツを横長に置き、その上にオムツを二枚重ねて置く。もう一枚のオムツをその上に縦長に置き、股(また)オムツにする。全体としてT字形に置かれたオムツの上に赤ん坊を寝かせ、まず股オムツをし、次に左右からオムツを重ね、最後に綿入りオムツをその上から重ねる。ひもなどでしばることはなかったが、上に着物を着せるので、落ちてはこなかった。おぶっても大丈夫だった。昔は、今よりオムツをはずすのが早かった。歩くようになってもオムツをしている子はいなかったので、綿入りオムツでも不便ではなかった。綿入りオムツは、ときどき綿を出して洗うので、三、四枚は必要だった。

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