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第6章 衣・食・住

第1節 衣生活

6 衣類の調達と管理

洗濯
洗濯は女の重労働だった。井戸の水汲みからしなければならなかった。井戸縄の両端に桶をつけ、大きな滑車を通して水を汲んだ。その後、押し上げポンプになり、電気ポンプで井戸から汲み上げげる自家用水道になる。押し上げポンプは昭和十年ころ、電気ポンプは昭和三十年ころから入り始めた。電気ポンプなったときはもちろんうれしかったが、それよりも押し上げポンプにしてもらって水汲みがらくになったときの方が、何倍もうれしかったという。
日常の洗濯だらいは二種類あり、フンドシやお腰やおむつは下(しも)だらいで洗った。お腰は人目につくところには干さなかった。洗濯は流しや井戸端ではもったいないといってはきだめのところなどでした。
洗濯は嫁の夜なべ仕事だった。洗濯板を使ってほとんど家族全員の洗濯をした。眠いのと暗いのとで翌朝干してあるのをみると汚れが残っていたりして困ることがあった。
三日も雨が続くと着るものがなくなってしまうので、七輪に炭をおこし、山かきのとき落ち葉を入れる大カゴをその上に伏せ、洗濯物を乾かした。
洗濯機が入るのは早い家で昭和三十年代前半である。そのころの洗濯機は洗剤を入れて洗うだけのもので、すすぎやしぼりは手でやった。それでも女の人にとってはうれしくてしようがなかった。

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