北本市史 民俗編 民俗編一覧
第6章 衣・食・住
第2節 食生活
2 日常の食物
副食日常食の副食としては、自家製の味噌を使った味噌汁と、これも自家で作ったその季節ごとの野菜類、漬物などが中心であった。野菜は、夏はナスやキュウリのぬか漬け・キュウリモミ(夕方になると、あちこちの家から、キュウリをまな板の上でカタカタきざむ音が聞こえたという)・カボチャの煮付け、秋から冬にかけてはハクサイ・ダイコンの漬物、春先がミノワセダイコンの味噌漬け・大根おろし、四〜五月の野菜の無いころには切り干し大根・干した芋がらなどであり、このほかに、夏はインゲン・ナス・カボチャ、冬はゴボウ・サトイモ・ニンジン等、季節の野菜を煮物や油味噌いために調理したものなどを食べた。その時期の野菜が中心となるので、夏にはナスの味噌汁・ナスのしぎ焼・ナスの煮付けなどナスばかりという日も多かった。また、冬場から春にはオナメ(なめ味噌)を作ってよく食べていた。このほか、魚や肉を食べることもあった。