北本市史 民俗編 民俗編一覧
第6章 衣・食・住
第2節 食生活
2 日常の食物
肉妊婦のほかには特に四つ足を食べるのをきらうことはなかったが、肉類はほとんど食べる機会がなく、自家で飼っている鶏が卵を産まなくなったり、何か祝い事でもあるときに、自家の鶏をつぶしてその肉を食べる程度であった。鶏肉は吸い物に入れたり、肉団子にして食べた。肉団子を作るには、トリハタキダイの上でナタを使ってよく叩き、うどん粉を加えてねばりを出して揚げる。トリハタキダイは、ケヤキの幹が分かれた木目が二つある部分を使うので、なたで叩いても割れない。
このほかに、年寄りが飼っているウサギの肉を吸い物に使ったり、たまに馬肉・豚肉を食べる家もあった。豚肉は、ー冬に二、三回鴻巣まで買いに行ったという。