北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第6章 衣・食・住

第2節 食生活

3 ハレの日の食物

マンジュウ

写真15 七夕のマンジュウ

(高尾)

七夕など夏の行事には「朝マンジュウに昼ウドン」といい、収穫した小麦を使ってマンジュウをよく作った。浅間様の初山・ギオン(天王様)・石尊(相州大山)講・七夕・盆・セガキ・八朔の節供・二百十日・二百二十日・月見などで、このほかにも、暑いときに暑気ばらいとしてマンジュウやウドンを作って食べることがあった。作り方は、小麦の粉を鉢にとってフクラシ粉をまぶし、酢をコップ一杯入れる。これに水を加えてこねて、アンを入れて丸めてやる。蒸すにはセイロを使い、その後、うちわであおいでイキを抜く。イキを抜かないとクシャクシャになってしまう。マンジュウは暑い時期に作るものなので、残ったものは、痛まないようにふきんでくるみ、ショウギやオハチに入れて井戸につるしておいた。
子供が生まれて初めての七月一日は初山で、東間などにある浅間神社にお参りに行く。この日は「浅間様にマンジユウ」といって、必ず新小麦の粉でマンジュウを作れといったが、なかなかこの日までには麦の仕事が片付かなかった。ギオンには嫁が実家に里帰りするが、このときに小麦の粉を一斗くらい持たせる。そうすると、その粉でマンジュウを作って持って帰って来る。

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