北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第6章 衣・食・住

第3節 住居

2 母屋

出入り口
出入り口は南面と北面につける(平入り)のが基本である。また、正面の出入り口が正面から見て、右側にある家と左側にある家がある。右側にある場合が一般的である。左側にある家を「左住まい」というが、市内では少ない。正面の出入り口は、トブ・トブグチ・トボグチ・トボコロなどという。多くの家の場合、障子の内側にがっしりとした一間幅のオード(大戸)がはめてある。正面の右手の出入り口は、シモトブ・シモトボ・ヒガシグチなどという。馬とワカイシ(奉公人)はここから出入りした。土間を抜けて、母屋の裏に出る口は、セドグチ・オカツテグチなどという。
以上は日常の出入り口であるが、婚姻や葬式のさいには、特別な出入り口が使われる。花嫁の入り口は例外なくトブグチのようであるが、花嫁側の客はオモテ(廊下)から出入りする。家により多少異なるが、盆の送り迎え・出棺などには、トブグチを避けてサモトないしはオモテを使う。

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