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第7章 人の一生

第1節 産育

血服(チブク)
お産にともなう産の穢れをチブクという。産婦は、よごれており、生まれた子のお宮参りが過ぎなければ、神様のいるところへは、近づいたりしてはいけないとされていた。産婦と同様にその家の者も血服にかかり、神様のあるところはなるべく近寄らなかったが、お七夜になると家の者はチブクが明けた。
朝日地区のUさん(明治四十一年生)は「私らは、産後一週間寝ていたが、ふつうは二週間であった」という。赤ん坊の世話はしたが、台所はやらなかった。チブクは二週間ともいうが、結局二一日経たないとチブクはとれないという。
朝日地区のYさん(大止六年生)は、お産のチブクというものは、家の者は一週間で睛れるが、産婦は、二一日間はチブクにかかっているので、仕事をしないでも良かったという。
朝日地区のOさん(大正五年生)は、チブクは、男の子が生まれたばあいは二一日で、女の子が生まれたら三一日でお宮参りになるのでブクが明けたという。
チブクは、お七夜の日に家族の者、お宮参りの日に産婦と段階を経て明けた。

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