北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第7章 人の一生

第1節 産育

食い初め
市域では、食い初めはオクイゾメ、クイゾメといわれ特に実家からのお祝いはなく、生後百日目に行う内々の祝いであった。食い初めは、生まれた子の百日目で、成人と同じような小さな一人前の食膳を作り、一粒でも食べさせようとする。
お食い初め用の赤い色の茶碗・お椀・オテショウ(御手塩)と膳の一式を荒物屋から買ってきて、尾頭付きの鯛、小豆飯、豆の吸い物を揃え、小石を吸い物の中に入れる場合とお膳の上に飾る場合とがある。小石は、砂利道から拾ったものとか天神様の境内の小石であったりするが、たいがいは庭のきれいな小石を丁寧に洗ったものである。石を供えるのは、石を齧っても大丈夫なほど丈夫な歯が生えてくるようにと願いが込められているのだという。また、小豆のご飯を一粒ほど口にいれてもほとんどの子は口から出してしまったという。

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