北本市史 民俗編 民俗編一覧
第7章 人の一生
第2節 結婚
1 結婚の条件
見合い・恋愛結婚はほとんど見合い結婚で親同士が決めた。大体世話をする人が両方を見つくろって話を取りまとめてくれる。もらうんだったら自分の家よりせつない(貧しい)ところからもらえ、くれるんだったら自分の家よりせつない家にくれろ、大尽と付き合いするのは大変だと言った。まれに恋愛もあってナレアイといったが、ナレアイで一緒になった人は少ない。ナレアイだからと別に陰口や悪口を言われることもなかった。常光別所のOさんは菖蒲町栢間(かやま)から一九歳で嫁に来た。恋愛で結ばれたが、お互い従兄妹同士であった。「従兄妹同士は鴨の味」などとも言われた。
見合いの前に婿の親が嫁方へ行って、娘の家はどのくらい作付けしているかとか、財産があるかとか、娘の素行がいいか悪いとか、すっかり調べあげてみて、それじゃ両方を会わせてみましょうという事になるので、嫁もらいは随分時間がかかるものだった。
恋愛などで結婚すると笑われてしまうといわれ、親同士で決めることが多かった。