北本市史 民俗編 民俗編一覧

全般 >> 北本市史 >> 民俗編 >> 民俗編一覧

第7章 人の一生

第3節 葬送

1 死と霊

マクラダンゴ
死者の処置と室のしつらえが終ると、すぐに、マクラダンゴとマクラメシを供えた。そのほか水を供え、灯明をあげ、線香を立てる。枕団子は死ぬとすぐに作る。組合の人が、石臼を使って何人かで一緒に挽き、臼の穴が自分のところにくると、そこに米粒を入れて粉にする。普段何人か一緒に臼を挽くことを嫌がるのはこのためであろう。団子に丸め、それを指でつぶし、これを二、三個小皿に盛り、膳の隅に供える。膳には箸をさした高盛の飯と汁椀を供え、枕元に置く。
死ぬとすぐに枕団子と枕飯を炊く。ご飯をテンコ盛りにして箸を一本立て、味噌汁と飯を真中にして、死人の枕元に左膳に供える。枕団子は、玄米を粉にして三つ作り、団子の中をおっぺしてへこませ、テシオ一つに入れて、枕元の机に置く。枕団子とテンコ盛りのお膳はお墓に持っていく (荒井)。
御飯を茶碗に山盛りにし、箸を一本立てて供え、線香もあげる。枕団子は、六個作って三本指で押しつぶして枕元にあげる。三個あげる家もある(高尾)。
勝手の火で近所の者がつくった。枕団子三つを皿に入れて置いておく。枕飯をおてんこ盛にして、箸をつきさして枕元に置く(常光別所)。
枕団子は、丸いものを二つ、三本の指でつぶしたもの、二本の指でつぶしたものと、全部で五つ死人の枕元に供える(深井)。
死ぬとすぐに、身内の者が数人で玄米を臼で挽いて、枕団子の用意をする。四つ作って皿に盛り、枕元に供える。御飯を山盛りにして一本箸を立てる。普段一本箸では死人のようだからいけないという(北中丸)。

<< 前のページに戻る