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第9章 年中行事

第2節 春から夏の行事

3 三月の行事

春の彼岸
春分を中心とする前後三日(三月十八日〜二十四日)は春の彼岸で、お墓参りをする。墓地の掃除は、十六、七日ごろに済ませ、十八日の彼岸の入りには、線香、花、水、オサゴを持って墓参りする。団子や小麦饅頭、草餅などを作って供える人もある。朝は混ぜ御飯、夜はうどんなど、変わり物をこしらえる。
二十一日の中日にはボタモチとうどんを作る。彼岸中、多くは中日に、親類や懇意な人がお彼岸参りといって、親戚の墓参りや仏壇参りをするので接待に忙しかった。彼岸の最後の日(彼岸明け)の二十四日をハシリクチ(走り口)という。彼岸の「入りボタモチに、明け団子」とか「彼岸のハシリクチの土産団子」などといい、この日の朝ダンゴを作る。線香、花、 オサゴ(散米)、土産団子などを持って墓参りをして、仏様を送る。土産団子の数は、五個とか、偶数とか奇数とか、家によって決まっている。土産団子を動物が食うと、仏の供養になるという。
新しい仏が出た家では、春彼岸に百地蔵札うちをする。お札を百枚準備して、六地蔵などどこの地蔵様でもよいから、親戚や近所の人に一〇〇枚貼って貰うと仏の供養になるという。千地蔵参りともいう。

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