北本市史 民俗編 民俗編一覧
第9章 年中行事
第2節 春から夏の行事
4 四月の行事
花 祭 り写真23 八枝神社のお札(高尾)
石戸宿の横田には、下野堂と呼ぶ薬師堂があって、ここに、誕生仏が安置してある。オシャカサマの日には、誕生仏を花で飾り、参詣した人々が小さなヒシャク(柄杓)で甘茶をかける。信心深い人々は、お賽銭を上げる。藤の花を取って、お釈迦様に上げる人もあった。かつては子供たちが大勢集まったが、今は随分と少なくなってしまった。行事自体も、以前は毎年行われるものであったが、太平洋戦争直後からは、その年のムラの人々の仕事の忙しさ加減で、行うかどうかを決めるようになり、大体一年か二年おきぐらいに行うようになっている。
高尾あたりでは、大師様(下石戸上、真福下)に出掛けたり、桶川の泉福寺に出掛けて甘茶を頂いてくる。若い人は、坂戸のオシャカサマ(坂戸市仲町、永源寺)に行く人が多かった。坂戸のオシャカサマでは、境内に市が立って賑わうので、養蚕道具や植木などを買ってきた。
オシャカサマの日には、赤飯とか草餅を作る。草餅をオシャカサマのハナクソモチともいう。