北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第9章 年中行事

第2節 春から夏の行事

4 四月の行事

ハルヒマチなど
四月中旬にハルヒマチ(春日待)と呼ぶ行事が各地で行われる。春日待と、このころに行われる類似の行事をまとめて述べる。
北中丸では、四月十日が春日待(秋日待は九月十五日)。春日待の時は、草餅をついて、親戚とやりとりした。
高尾では、四月十五日を春日待といい、餅をついて親戚、知人に配った。この日の餅は、塩味の小豆館入りである。
また、四月十八日は弁天様のお祭で、あちらこちらに弁天講があって、養蚕が盛りの時代には、豊繭を祈って賑わった。
深井では、四月十五日が春日待。この日には仕事を休んで、草餅、白餅を作った。塩餡を作って入れる家もあった。作った餅は重箱に入れて、親戚中に配った。農家から町中に嫁に行っているような場合は、特に喜ぱれた。この日は、氷川神社の祭礼の日でもある。この日が過ぎると、農作業が忙しくなるのである。
下石戸上では、四月十五日のフセギの日には、草餅をついて親戚に配った。これは、場所によって日が違っていたので、お互いに交換するのである。また、四月二十日のハルキトウ(春祈禱)には、氏神様に有志で集まり神楽を奉納した。氏子の家を回って、家内安全を析るもので、お礼にオヒネリを貰ったりした。太鼓や笛に合わせて、ヒョットコとオカメが踊るので、ヒョットコ神楽とも呼んだ。また四月二十三日は愛宕神社の祭礼で、年番の家に集まって御神酒をいただいた。
下石戸下では、四月二十一日はオイバナといって家の氏神様の祭り日である。桶川市日出谷から神楽師が来て、氏神様を祭っている家を一軒一軒回って、氏神の前で神楽を舞った。

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