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第9章 年中行事

第2節 春から夏の行事

6 六、七月の行事

ゴガッドウロウ
六月十四日はゴガツドウロウ(五月燈籠)といって、下石戸の八雲神社(天王様)の祭礼である。
神社にある燈籠を張り替えて飾り、疫病除けの祈願をした。囃子連による祭り囃子の奉納もあった。
春の仕事が一段落した後の、夏場の最初のお祭りで、夏初祭りともいい、この日に雨が降ると、この夏は雨が多いといい、この夏のお祭りは総つぶれになるともいった。初物のキュウリ(胡瓜)を供える習わしで、キュウリ(胡瓜)を持った参拝人で賑わった。キュウリ(胡瓜)売りの露店も出た。
川岸地区ではキュウリ(胡瓜)は作れたが、荒井、下石戸地区では神罰が当たるといってキュウリ(胡瓜)を作付け出来なかった。貰ったり、買ったりしたキュウリ(胡瓜)は食べてもよかったが、荒井ではこの日に下石戸の天王様に御参りして、キュウリを買ってきて、鎮守の須賀神社にお供えして、初めてキュウリ(胡瓜)を食べた。それが済まないうちは、キュウリ(胡瓜)は食べられなかった。
キュウリ(胡瓜)を輪切りにすると、その模様が天王様の定紋に似ているので、食べる時にも二つ切りにするか、斜め切りにするものだった。

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