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第9章 年中行事

第3節 盆

1 盆の準備

シンボン

写真33 新盆のタカドウロウ

その年に新しい仏様のいる家を、シンボン(新盆)とかアラボンという。没後初めて迎える盆のことだが、八月一日以降になくなった場合は、翌年の盆がアラボンとなる。新しい仏様は、家族がボンコに行くとすぐに出発して家に向かうといい、シンボンの家では三年間は、七月三十一日か八月一日のボンコの日から一月間、オモテ(縁先)にススキ・ハギなどの淡い絵の描いてある岐阜提灯をつるす。この灯をたよりに仏様が来るという。この提灯をタカンドウロウともいうので、もとは高燈籠を立てたのであろう。
シンボンの家では昔は、ボンコの時に寺に新しい草履とカブリッカサを納めて来た。仏様がこれらを身に付けて来るのだという。
シンボンの家は、八月一日に「今年はシンボンです」といって近所や親戚に砂糖や醬油を配って、あいさつする。十三日の迎え盆には、お昼を食べるとすぐ早めに墓地に御盆様を迎えに行く。夜にはクミアイの人が線香を上げにきてくれる。また、盆中に親戚も線香を上げに集まり、お坊さんも来て拝んでくれる。お返しには、砂糖やお茶菓子を使った。

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