実録まちづくりにかける集団

北本この人 >> 実録まちづくりにかける集団

第1編 何にも勝る体験学習

生きるための知恵づくり
「遊びの学校」は、生きるための知恵づくりの場である。昔のガキ大将なら、誰でも知っていた程度のことが、現代に受け継がれていない。自然の中から食料を見つけ出す。刃物を使いこなす。仲間を大切にする。必要以上に生き物を殺さない。自分のことは自分でする。年長者は年少者の面倒を見る。足らないものがあれば工夫をして補う。火を使いこなす。といったような、ほとんどが生活に密着している事柄を、子供たちに教えるのである。
昭和二十年代から三十年代にかけての、物の無い時代を過ごしてきた昔のガキ大将たちにとっては、きわめて当たり前のことばかりである。具体的な活動は後に譲るが、こうした一つ一つの活動が、現代の子供たちにとって、まるでおとぎばなしの世界のように映っている。
金さえ出せばなんでも手にすることができる現代社会が、果たして子供たちにとって本当に幸せなのだろうか。考える力も、工夫する努力も、我慢をすることも、生きるために無くてはならないもののはずが、何一つ身につかないまま大人になったとしたら、取り返しのつかない社会になってしまうだろう。
最低限「生きるための知恵」を持った大人として、成長してもらいたいものである。

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