実録まちづくりにかける集団

北本この人 >> 実録まちづくりにかける集団

第3編 「鼓群奮闘」
   北本太古かばざくら五千日の活動記録

第3章 本格的な太鼓集団を目指して

義務教育が崩壊する
初めてのアメリカ公演は、団員にとってはすばらしいものであったようだ。しかし、終わってみれば大変よかったという感想で済むが、実際に実行できるまでは大変な苦労であった。もっとも大変だったのが、地元教育委員会及び学校関係者を説得することであったのは、まったく皮肉ものである。
グローバル化が国中を覆い、青少年の国際化が積極的に推進されている時期に、数日間学校を休ませて海外渡航することが、これほど困難であるという想像はできなかった。何事にも筋道を通したいとする平田にとって、市教育委員会、学校関係者に理解を求めるのは、当然の手続きであった。特に、団員の中にとなり町の教師が数名いたことから、事を慎重に運ばせなければならないと考えていた。
直接となり町の教育委員会に出かけ、担当役職者と話し合って驚いた。
「平日に教師を休ませて、海外へ連れ出すということはとんでもないことである。教師の職務専念義務をなんと考えているのか。それと、学校を休ませて子供を海外に行かせる何ぞということは、義務教育の崩壊につながる重大事である。」という、なんとも時代遅れの言葉が返ってきたのである。
「そういう事業は夏休みのような長期に学校が休みのときにやってもらいたい。」という。冗談じゃない、アメリカでやる事業が日本の夏休みなんか想定しているはずがないではないか。しかも、学校を数日休ませることがどうして義務教育の崩壊につながるのか。まったく理解に苦しむ返事であった。
結局、参加する子供たちは家庭の都合で欠席させ、教師はクビを覚悟で有給休暇を行使するというまったく前近代的な方法でアメリカ行きが実現された。なぜ、生徒も教師も貴重な体験をしてくるのだから、その後の教育に生かせるよう全面的にバックアップすると言えないのだろうか。平田にとっては、あきれるばかりであり、憤慨するしかなかった。

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