北本の絵馬

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復刻版の刊行に寄せて
北本市は、首都圏40kmないし45kmの位置にあり、交通の至便性と併せ自然環境に恵まれているところから、昭和40年代頃から首都圏のベッドタウンとして急速に発展してまいりました。現在では「緑に囲まれた健康な文化都市」の実現をめざし、さらなる発展に向けて首都圏の住宅都市として発展しております。
しかしながら、こうした都市化の波により、かつて本市が純農村であった頃の自然環境や、祖先が守り、継承してきた慣習や年中行事などの民俗文化は、しだいに変化し、失われてきております。
このような状況の中、本書は、民俗資料のなかでも特に絵馬を緊急調査し、その成果を昭和49年3月に北本市文化財報告書として発行したものです。好評のうちに完売し、在庫切れとなっておりましたが、市民の皆様から愛読したいとの要望が高まり、このたび復刻版として発行することになりました。
絵馬とは、祈願のために神仏に奉納する絵板のことです。神社の壁に何げなくかけられた絵馬の一つ一つは、人々のせつない思いが込められた信仰の証であるといえましょう。本書によって、人と神とのささやかな営みをしのびつつ、庶民の信仰の姿を知り、郷土の歴史・民俗との新しい出会いをしていただきますよう切に希望いたします。

平成3年11月3日
北本市教育委員会
教育長 峯尾 榮


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