北本地名誌

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地名は「歴史の化石」ともいわれ、私たちの祖先が数千年にわたり連綿として引き継いで来た貴重な文化遺産であり、日本全国でその数はおよそ1000万以上といわれます。
民俗学者柳田国男は、その著『地名の研究』において、地名を「利用地名」、「占有地名」、「分割地名」の三つに分類していますが、これらの発生には人間の意志が大きく働いてい
ると説いています。
地名の研究によって、今まで不明であった歴史上の重要遺構が発見されたり、あるいはまた、万葉集をはじめとする文学作品に現われる地名によって、私たちの祖先の生活が現代に甦ってまいります。
このように、地名のもつ重要性や、また、昭和48年以降、当市においても「住居表示に関する法律」に基づき、地名地番の整備が開始され、旧地名がしだいに消滅しつつある現状に鑑み、市教育委員会では、市内の地名に
ついての詳細な報告書を作成することに決定しました。
調査は、昭和53、54年度の2年にわたり、市文化財保護審議委員、岡田勝雄先生に委託し、 ここに上梓する運びとなりました。
本報告書が単に記録保存の役割だけでなく、市民の皆様が当市の歴史を考える上に、また、学術研究の資料として広く活用されることを切望いたします。
最後に、本報告書の調査・執筆をお願い致しました岡田勝雄先生の御苦労に深く敬意と感謝の意を表します。

昭和55年7月
北本市教育委員会教育長 高橋英五


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