北本の絵馬

社会3 >> 北本の絵馬

【桃持ち猿】

桃持ち猿 山王様蔵(15cmX18cm)

桃を持ち、赤いチャンチャンを着た猿の絵馬であるが、赤く印象的に画かれた桃やチャンチャン、そして猿の顔や姿にも特徴がある素朴な図柄がおもしろい。一般的には、桃を持った猿は、女子が安産の祈願や、子供をお授けくださるよう願って奉納するといわれている。桃の葉は、悪魔をはらうといって桃酒をつくるところもあり、また桃の実は女子の恥部との連想からこのような図柄が描かれるようになったものであろう。高尾の小林某女の奉納した絵馬であるが、医業の進んでいなかったころのお産が、当時いかに大変なことであったか、各地に残っている猿の絵馬や石猿が物語っているように思われる。

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