北本の仏像

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Ⅱ 各地区の仏像

2 石戸地区(旧石戸領)

 大蔵寺

大蔵寺 下石戸下1817 →(寺院詳細)

天台宗。川田谷泉福寺末、安泉山無量院と号し、本尊は阿弥陀。開山玄秀は元禄七年(1694)十月示寂と伝える。(『風土記稿』、『郡村誌』)


【木造薬師如来及び両脇侍像】

大蔵寺 木造薬師如来及び両脇侍像

〔品質〕寄木造 玉眼、肉身部漆箔、衲衣彩色(後補)
〔法量〕 (薬師)像 高 48.4 膝 張 42.1 膝奥36.1
     (右脇侍)像 高 35.0 (左脇侍)像 高 35.3
本堂右脇間の壇上に安置されるもので、俗に寅薬師と呼ばれる。右手施無畏印を結び、左手に薬壺を持ち、細かな衣褶をたゝむ衲衣をまとい、左右に日光、月光の両菩薩を従える通例の薬師三尊だが、そのたどたどしい稚拙な彫技は素人の手になることを思わせる。中尊の膝裏に「明導寺之開山尊誉光残土人ノ作」の墨書銘が見られるが、光残上人が如何なる人物であるかは明らかにし得ない。
その名から推測すると浄土宗系の僧侶であろうか。銘文の文体から察すると、造立直後に記されたものでなく、後世別の人が解説的に書き加えたもののように思われ、果して実際に光残上人の作であったかどうかは疑問である。作風は本尊の弥陀三尊に共通するところがあり、やはり同じ頃の製作になるものであろう。脇侍の台座裏にも「佛師/桶川町武蔵屋」と記した銀書銘が認められる。
これは、近代これ等の像の修理、彩色を担当した仏師のものと思われる。

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