北本の仏像

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Ⅱ 各地区の仏像

2 石戸地区(旧石戸領)

 薬師堂

薬師堂 高尾2798 →(寺院詳細)

沿革不詳。小字谷足地区の墓地内にある。瀧馬室常勝寺持。


【銅造如来形坐像】

薬師堂 銅造如来形坐像

〔品質〕 鋳銅一鋳
〔法量〕 像 高 18.4 膝 張 14.8 膝 奥 12.1
現在薬師堂本尊とされているが、膝上で禅定印を結んでいることからすると釈迦如来像と思われる。その構造は外型を前後に割り、中型を設けて一鋳とし、胎内を覗くと頭部に鉄芯、両肩先に銅斧の一部が残存しているのが認められる。坐像ながら膝前及び背面地付部の三ヶ所に台座に固定するための柄を鋳出してぃるのは、いかにも江戸期らしい手法といえよう。彫りは深いが、形骸化の眼だつ仕上りとなっており、江戸中期もかなり降る頃の製作と思われる。この像の乗る木製台座には元禄七年(1694)八月の年紀と、施主新井半左衛門以下十二名の交名を記す墨書銘が認められるが、時期的に合わず、しかも像に比べ不釣合に大きいことからすれば、本来別のものであったことが明らかである。おそらく、当初は台座と一具の薬師如来像が本尊としてあり、その後何らかの事情によって、この像にとって替られたものと考えられる。須弥壇の片隅にころがる木造の菩薩形破損仏は、その形制、法量から見て、旧本尊像の脇侍であろう。

薬師堂 像底部

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